命にふさわしい

1998年生まれの随筆とエッセイ

🐦

 

 

びっくりするくらい遠くが見える

 


ずっと ずっと遠くで

 

 

きっと違う道を選んできた

 

 

人が、生まれたと同時にもっている

 


一人一枚もっている

 

 

白いTシャツのことを考えていた

 

 

遺伝子によって生地や素材は違えど

 


真っ白なTシャツ

 


(発達+経験)×時間で、極彩色のTシャツが出来上がる

 

 

春に生まれた子は、

 


ほんのりピンクに染まっていたり

 


青空の下で遊び回った子は

 


胸一面にブルーが広がる

 


幸せに育った子は

 


キラキラ眩しい色を身にまとっていたりして

 


そして、

 


逆もまた然りで

 

 

真っ黒に染まってしまったTシャツを

 


生まれたままの純白に戻す方法を考えていた

 


純粋無垢なホワイトカラーを身にまとい

 


汚れのない感覚を取り戻したいと思った

 


真っ黒に色を足しても黒に呑まれる

 


どうせなら

 


小さい幸せを集めて漆黒の表面にキラキラを散りばめるのがいいのだろうか

 

 

あの星空みたいに

 

 

銀河の音階のように

 

 

黒に呑まれてしまった成長の過程の思い出達の、墓標のように

 

 

 

 

 


──── それらを自らに刻みつけるように。